第1章

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「真っ赤っか~。」 私の顔に指さしてケラケラと笑う彼女にムッとなった。 耳を隠すのが阿呆らしくなり、左手を下ろして右手で凛の人差し指をガシッと掴む。 そしてそのままー…、 グイッ… 「いででででっ…いだっ…痛いって! 」 床と平行になった凛の指を天井に向けた。 『人に指をさすのは失礼だって習わなかったの?』 ふんっ…と鼻先であしらいながら指から手を離した。 私が離したことに安堵の息をついたあと手をぶらぶらとふる凛。 そしてニヤリと笑いながら口を開く。 「ごっめ~ん。 ほら、ウチってテストの成績悪いからさ~。 マナーのコトに関しては特に悪くて0点な~のよ~♪」 コッイツ……。 自分の成績が悪いコトを利用したな。
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