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「ね~、聞いてんの~?」
少し俯きがちになっていた私の顔を除くようにズイッと顔を斜めにして前のめりになる。
それを邪魔するように、綺麗な黒い髪の毛がサラッと凛の右頬ら辺にかかり、視界を遮る。
"あ~、もう!"と、鬱陶しそうに声を出しながら長い髪の毛を耳にかける。
その姿にクラスの男子全員が目を奪われていた。
鬱陶しそうな顔をしても、美人は美人。
全ての行動が美しく見える。
ていうか…近。
私の席の前の席が凛なため、自然と私の机を挟んで話す形になっている。
私は少し椅子を後ろへ引く。
『あっ…ごめんもう1「唯~!格好いい先輩が呼んでるよ~!」』
"もう1度お願い"
私のその言葉はクラスメイトの呼ぶ声によって虚しく遮られた。
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