第1章

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格好いい先輩…あ、きっと速水先輩のことかな。 "格好いい先輩" その単語だけで誰かなんて分かってしまう。 こんな私にでも格好いい癖して優しく接する…構ってくれる人は速水先輩以外誰もいない。 "あ…えっと…"と、慌てすぎて凛と呼んでくれたクラスメイトを交互に見る。 そんな私を見て凛はため息をつき口を開く。 「はぁ…いいよ、早く行けば~? そして、早く帰って来い。」 そういい終わったあと、ベタ~と私の机にひっついた。 『……また後で聞くよ。』 ガタッ…と椅子から立ち上がり少し早めに歩いて教室のドアに向かう。 向かう途中に、"約束だぞ~"と、くぐもった凛の声が聞こえた気がした。
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