僕にしか見えない

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「あっ!スマホ忘れた!兄ちゃん、先に帰ってて!」 慌てる僕を見て、兄は笑いながら言った。 「え、もうすぐ家じゃん、もっと早く気づけよー」 兄と僕は同じ中学校に通っている。 今はテスト期間中なので部活も休みで、帰りが一緒になることが多い。 「ほんと、もっと早く気づけばよかった!」 中学生になり、やっと買ってもらえた初めてのスマホ。 教室の机の上に置きっぱなしだったような気がして、僕は心配になって全力で学校まで走った。
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