色彩豊かで完全に透明な食物の章

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●ポイポイ ポイは、タンガラブやニグレブの原住民の間で通貨として使われる果物的言語のことである。それを文明人であるカレンや”phage”が見た時に「ポイポイ」となるのだ。 さて、果実的な言語とは一体どのようなものかというと、 「奥さん、昨日の晩御飯、どこのデパートで買ってきたのぉ?」 「やだぁ! 私が作ったのよ、わ・た・し」 この例で考えると上の語り手は果実的な意味合いを持つ言語を放っている。実に安く感じられるではないか。しかし、タンガラブやニグレブ人はそれとは気づかずに使うのである。 とある素材をそのままにしておかないで、マシマ加えて賞味するのが”phage”らしいポイントでもある。音韻的にも、実に「ポイポイ」使用されるのだから、相応しい名称だと言えよう。 さて、ポイポイにも様々なポイポイがある。その種類を本項目では扱いたい。 ◆ストレート・ポイポイ  「お子さん、頭が良いんですって?」  「息子さん、スポーツ万能なんでしょ?」  「学年一位のヤムヤさんねぇ、知ってましたよ!」 ◆返し・ポイポイ  「ウチの子供は勉強しなくって」  「ウチの子はおまけにゲームよ」←  「最近、化粧のノリが悪くてさ」  「そんなぁ、全然見えなぁい」← ◆自虐風・ポイポイ  「数学が85点で全教科満点ならなかったんです」  「あと一点とればハットトリックなのに、このバカ息子!」  「いやぁ、こじんまりとした部屋って落ち着きますよね」  「いいところに勤めてると、プレゼントも違うでしょ?」 などなど、書ききれないくらいのポイポイは存在する。 おやつや子供が主に楽しむものである。子供にとっては美味かもしれない。 ポイポイがあるのは、人間の世界とニグレブ近辺だけなのも、特筆すべき点であろう。
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