2013年初夏。

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「! あなたは!?」 「名乗るほどの者では御座いません」 にこやかに栗島氏。 やがて高齢者は、自らの小さなマナー違反に気づく。 「私は一式陸攻と申します。 是非ともあなたの御名前を伺いたい」 直立不動の姿勢となりながら一式翁。 すると栗島氏は、ますますにこやかになって口を開く。 勿論直立不動の姿勢を取りながら。 「栗島影正と申します」 「にふぇーでーびる」 「どう致しまして」 互いに挨拶を交わすや否や、栗島氏と一式翁は旧知の間柄のように談笑しつつ、テキパキと機関車の清掃を進めてゆく。 その様子を小さな影たちが、キャブの丸窓から嬉しそうに見守っていた。
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