第1章

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メールの着信を告げるチャイムがしばらく鳴り続けた。 メールが勝手に開かれ、ボイスデータが再生される。 メールが勝手に開かれ、ボイスデータが再生される。 メールが勝手に開かれ、ボイスデータが再生される。 メールが勝手に開かれ、ボイスデータが再生される。 メールが勝手に開かれ、ボイスデータが再生される・・・・・・ 10歳ぐらいの長髪の女の子、小太りの男の子、傷バンをした男の子、眼鏡をかけた女の子、赤鼻、寄り目、真っ白な顔の子・・・・・・ポップコーンが目の前で次々と弾けるようにポップアップ画面が次々と開かれていく。 「心配だけど、ちゃんと体治してね」「あんまり長く休むのはずるいからな、早く学校こいよ」「早く元気になってまた遊ぼう」「待ってるよ」「」「」「」「へへ、実はねーあっくんと・・・」 あどけない声が頭の中を反響する反響する反響して、ぐるぐると天井が回る。 ・・・タスケテ・・・という声が昨晩の段階ではまだうっすらきこえていたというしょうげんがありきゅうじょはんも・・・ かと思えば大人の淡々とした機械のような声がそれに重なっていく。 冷たい風が足元から噴き出してきて凍えそうだ。 肩が燃えているかのように熱い。 ここはいったい、どこだ?私はーーーーー 「落ち着け!」 「あ」 「落ち着け!」とカレシの声が聞こえた。 どうやら私は叫んでいたらしい。 カレシに肩を揺さぶられ、一呼吸ついた、そしてまた叫んだ。 今度はカレシに抱きしめられる。私はカレシの肩にかじりついてお腹の中の空気が尽きるまで叫び続けていた。涙は叫び終わるのを待っていたかのように、その後とめどなく溢れてきた。 「なんで? なんで今更なの?」 「どうしたんだ、いったい」 答えるより先に電話が鳴った。 着信番号を見てすぐに取る。 「タスケテ!」と裏返った声が耳に刺さった。
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