第1章

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  若葉が生い茂り 歩いているだけで、うっすらと汗ばむ季節 初夏の木々はそんな身体に心地よい風を運んでくれる 私の名前は『百合子』 今年の春に 私の中学時代の一番の親友『凜』と一緒に同じ高校に入学しました 小学校の時、凜が私のいるクラスに転校してきた時から、凜と私はずっと一緒でした 残念ながら 高校では凜とは違うクラスになってしまって かなり悲しいけど でも、私たちの友情が変わるわけではありません あ!それと 驚いたのは‥ 私の家の隣りに住む幼なじみの『トモヒロ』と同じクラスになった事でした 凛はいつも昼休みに 私の教室に遊びに来ます 帰り道もいつも一緒に グラウンドのネットの脇を通って帰ります 授業中以外は、いつも一緒にいる感じでした グラウンドには 白球を追う野球部の男子生徒達が その中にはトモヒロも混じって汗を流しています 一学期も もぅあと少しで終わる あと数日したら夏休みに入る そんなある日 私と凜がいつものようにグラウンドの脇を歩いて帰っていたときでした 内気でおとなしい凜が はにかみながら私に聞いてきたのです 『百合は‥ 誰か好きな男子とか‥ いるの?』 『え? 好きな男子?』 凜は ネットの先の野球部の練習をぼんやりと目で追っているようでした     ⌒°  
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