第1章

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看護師さんに案内されて よしみは、手術室まで歩いて行った こんな大きな病院の手術室なんて初めて入ったが なんだか殺風景で、工場のような印象を受けた 「今は、まだ綺麗だけどね~」 なんて看護師さんが話してくれたが よしみには、無機質すぎて綺麗な感じはしなかった 清潔ではあるのだろうが 手術台に横になり 右腕にいろいろ付け 点滴をするのに手の甲からすると言われ よしみは、青ざめた でも、イヤと言えるわけはなく、怖いが我慢した そして麻酔が注入され 眠った感覚も無く、いつの間にか意識を失ってた 時間が経過した感覚も無く、気付いたら病室のベッドの上だった なんとも不思議な感じだ あんなに不安だった手術が なんだか一瞬で終わってしまった ちょっと拍子抜けな感じのよしみだった 麻酔から覚めても、ぼーっとしていて 「まだ意識は、はっきりしてないけど麻酔は覚めてますよ」 と、言う看護師さんの声 「いつ起きるか分からないから、また明日来るか」 と、言う母親の声 ハッキリと聞こえているし、母親の姿もチラッと見たが 自分では受け答えは全く出来なかった 意識はあるのに、体は動かず、喋る事も出来ない まるで、自分の体じゃないみたいだ
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