平穏が消える日

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何故なら、妹や姉で興奮して――の方が、世間様に漏れようものなら俺は、明らかに社会的に抹殺されてしまうからだ。 第一、そんなもんを聞いたら間違いなく、一般の奴らは、そのままは受け取らないだろう。 その事が漏れ出した時点で、俺は周囲の人間から血縁者しか愛せない変態とか、中二の妹に手を出そうとしたロリコンとか、そんな冷たい眼で見られるようになるのである。 そして、世間のみではなく、家でも妹の小夏や母さんに、腫れ物でも触るような扱いをされるようになるのだ。 (む....無理だ....。 俺には、そんな人生は耐えられない。) そんな理由で俺は、美沙子姉さんに敢えなく屈したのである。 で、俺は選んだ訳だ。 いい年して、お漏らしたって状況を。 その時、美沙子姉さんは笑いながら、こう言ったのである。 「これで、一つ貸しね優くん。 良かったわね“これでケダモノ”って呼ばれないで済むわよ?」 「あ........有り難うございます....美沙子姉さん。 一生、恩にきます....。」 本当に、これで良かったのか? 俺は、そんな疑問を頭の中に巡らせながらも、美沙子姉さんに深々と頭を垂れながら礼を述べると、俺は替えのパンツを握り締めながら全力で、洗濯機を目指したのである。 で....今に到る訳だが....。 (取り合えず、一時の恥だけで済みそうだな....。 まぁ、美沙子姉さんが後で何を要求してくるかが、気にはなるけどな....?) 自分の最悪なる状況に溜め息をつきながら、味噌汁を口に運んだ。 何せ、美沙子姉さんはドSである。 周囲の人間や家族に対しては、そんな対応はしないだろうが....事、俺に対しては美沙子姉さんは容赦ないドSぶりを、発揮するのだ。 可愛いさ余って何とかが、その理由なのか....それとも単純にストレスの捌け口として、そうあるのかは不明だが....何はともあれ....。 いつか、俺に報われる日はくるのだろうか? まぁ、俺の日常など、こんなものである。 こんな状況は今から五年前、父さんが事故で死んでから始まった。 父さんが、死んだのは仕事上での事故だと聞いている。 だが何であれ、あの時から家族の中で男は俺だけになったのだ。 それから喪失に対する恐れ故だろうか? 家族の俺への愛情は、明らかに強まったように感じられる。 だが、その愛情故に、その方向性は屈折の道を辿ってしまったのだろう。
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