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そして、それに追い討ちをかけるように、世界は疲弊していった。
急速発展する国々。
それによる極度な人口増加が、世界中に深刻な水不足と、食料不足を招いたのである。
それは、世界に限らず俺達が住む日本もまた然り。
その結果、三年前から日本政府では食料と水の供給に乗り出していた。
まぁ、幸か不幸か....辛うじて全てが食料等の自給で賄われる状況だけは、何とか回避されているが、ガムやお菓子といった嗜好品は手に入り難い事もあってか、べらぼうに高く簡単には買えやしない。
それにだ....。
(やれやれ....また、これかよ?
一体、これから世界はどうなっちまうんだ??)
俺はハムサンドを、頬張りつつニュースで報道されている内容に、溜め息をつく。
世界規模で、勃発する異様な殺人事件。
俺が思わず、溜め息をついた内容は正しく、その内容に対してであった。
昨日まで、明らかに虫も殺せない程に善人と認識されてた者。
或いは無力な老人や子供。
そういった者達がある日、突然、殺人鬼に変貌する。
そして....その者達は、無差別に人を襲うのだ。
ある者は、鉛筆を凶器とし....。
ある者は、石や玩具、杖等を凶器とし人々を襲う。
何故、そんな事をするのか?
その理由は、未だに不明である。
その中で、幾つか分かっている事と言えば、1つには殺人者になった者は身体能力が、飛躍的に上昇していると言う事。
2つには、殺人鬼達は余りの狂暴性に故に捕縛が不可能であり、その結果....全員が警察なり、特殊部隊に射殺されていると言う事。
3つには、殺人鬼になる者は目が赤色に染まると言う事。
4つには、殺人鬼は犠牲者の血を啜ると言う事。
5つには現段階では、それがウィルスが原因で起こっているのか、それとも....それ以外の要因により起こっているのか分からないと言う事。
6つには、ここ数ヵ月前から起こり始めた、この現象が現在、キラー・ブラッド症候群と呼ばれていると言う事。
そして、7つには現段階では日本でまだ、この現象は目撃されていないと言う事....。
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