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私の心臓が、激しく鼓動する音が聞こえる....。
でも、それだけじゃない。
私は明らかに感じていた。
下腹部に感じる湿り気が、その証であろう....。
(楽しいな....。
それに凄く、気持ち良い....。)
松村先生の顔色が、青ざめているのは恐怖してるって事の他に多分、出血による貧血も原因なのではなかろうか?
だとしたら、勿体ない事だ。
(私が血を飲んであげる前に、死んだら駄目ですよ松村先生♪)
しかし私が一歩、松村先生に歩み寄ろうすると松村先生が一歩、後退する。
何故、松村先生は私から逃げようとするのだろうか?
少し前まで、私を求め続けてくれたのに何故――?
「松村先生....どうして逃げるの?
逃げたら、松村先生から慰謝料貰えないじゃないですか?
直ぐに済むから、早く私に血を下さい――。」
私は堪えきれずに、一気に松村先生との間合いを詰めると、三角定規を降り下ろした。
しかし次の瞬間、聞き慣れない轟音が響き渡る。
この音はまるで....アクション映画やドラマで、良く聞く銃声――。
(なるほど....。本当に銃だった訳ね?)
先程の轟音と共に、地面が弾けたのを見て私は、そう確信した。
(銃って事は多分、警察かな――。
折角いい所だったのに、邪魔しないで欲しいよね?)
私が、そんな事をぼんやりと思いながら、後ろを振り向いた直後、不意に声が響く。
「手を上げろ!」
そんな決まりきったセリフを、言ったのは女の警察官のようだ。
しかも、その女性警察官は何故か私に銃を向けている。
一体何故――?
私は取り敢えず、言われた通りに両手を上げた。
そんな時だ....不意に、もう一人の男性警察官が言う。
「おぃ....傷害事件って話で来てみれば、あの娘....キラー・ブラッドの発症者のようだ。
冴木【サエキ】、あの娘は危険だ。
さっさと射殺しよう!」
「し、しかし....相手は人間なんですよ?」
何か、知らないが二人は何かを言い合っていた。
(それにしても....キラー・ブラッドって一体、誰の事を言っているの?)
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