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「やれやれ....もう朝かよ....?
だり~・・・・・。
学校休むかな~?
取り合えず、もう少し寝とくか?」
俺は、とてつもなく不快な音をなり響かせる古典的形状の、目覚まし時計を睨めつけつつ、そんなヤル気の無い独り言を呟いた。
だが、その直後、不意に強烈な痛みと衝撃が俺の腹部を強襲する。
「ぐほっ!?」
俺が、痛みを堪えながら顔を上げると、小生意気な我が妹――。
鈴原・小夏【スズハラ・コナツ】の姿があった。
そして、俺が小夏の方を見据えると、全体重を乗せた右肘の一撃を、俺の腹部へと炸裂させている、小夏の姿が映り込む。
小夏は、その勇姿を見せ付けるかの如く、俺の眼前で爽やかに、微笑んだ。
俺は、そんな状況を確認し....やたらとキツいと感じたのはこのせいか――と、変に納得する。
しかし、それは兎も角....。
(コイツ....俺を殺す気か?)
俺が、最初に考えたのは当然それであった。
幾ら俺の妹である小夏が、小柄な方とは言え、全体重を乗せた一撃は下手すれば大怪我するレベルの一撃である。
それを容赦なくやってのける、発育不全の中二の妹、小夏は間違いなく鬼であった。
毎日、毎日、こんな起こされ方をしていれば正直、俺の妹に本当に人の血が通っているのかと、疑いたくなるのも当然であろう。
「お........お前、もう少し普通に起こせないのか?」
「何言ってんの優兄?
普通に起こしたら、また寝るじゃん?
間違いなく!」
「いや....まぁ....確かに寝ようとはしていたが........しかしな~お前、一応女の子なんだから、もっと御淑やかにしようとか思わないかな~?」
「思わない。」
飽きれ口調の俺の言葉に、小夏はサラリと素っ気なく答えた。
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