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「と、所で小夏、お前....俺の本とか見たんじゃあるまいな?
何か、やたらと内容に詳しいし?」
「な――!?
み、見てる訳無いでしょうが!
な、何馬鹿な言ってるの優兄――?」
(あ~コッソリ見たね....。
この辿々しい反応は....間違いなく?)
俺は、いけないとは思いつつも....その瞬間、妄想した。
妹の小夏が、俺のエロ本を閲覧しながら使用済みティッシュを、片付ける構図。
それは実に斬新かつ、萌えるシチュエーションであった。
(ヤ....ヤバイ....何か、興奮してきた....。)
「もう!
そんな事は、どうでも良いから、さっさと起きてよ優兄!」
小夏は、そう言いながら俺から布団を剥ぎ取ろうとする。
だが、俺は慌てて布団を掴んで、小夏の強襲をガードした。
その理由は、2つ。
1つはまだ、寝ていたいから。
だが、これは真の理由ではない。
叶うなら程度のものだ。
真の理由は他にある。
布団を手放せない真の理由....それは――。
「さっさと起きようよ優兄!」
「いや!
お兄ちゃんは、もう起きてるぞ!
だから、その手を放して下で待ってなさい。
直ぐに、イクから――。」
俺は色々な意味を含む言葉で、誠心誠意を尽くつつ小夏を説得した。
しかし....。
「絶対に寝る気でしょ!?
私、ちゃんと起きるまで信じないんだから!」
「いや!
だから、さっきから、もう起きていると言ってるでしょうが!?」
俺は必死に、ボーダーラインを死守し続ける。
当然だ。
これが、もし小夏に抑えの効かないアレを見られたら最早、兄としての尊厳が、保てなくなってしまう。
そして、その瞬間から俺は不本意なレッテルを貼られる事になるのだ。
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