第1章

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どうしてこんなことになったんだ。 今おれは、テーブルのような物の上に目隠しをされて 仰向けで手足を縛られている。 たしか、おれは新宿のキャバクラで飲んでいたんだ。 会社の同僚と初めて行ったキャバクラでしこたま飲んだ。 それで、店を出ようとしたら請求書に128万円と書かれていた。 これがぼったくりバーなのか! 手元にそんな金があるわけもなく、同僚たちと一緒に店員と揉めていたんだ。 そしたら、店の奥からガラの悪そうな連中が2人来た。 おれも酔っぱらっていたから記憶は曖昧だが、その男達はこんなことを言っていた。 「お客さん。遊んだ分はきっちり払ってもらいますよ。新宿じゃいくらだって金は作れるんだから」 そう言った途端におれの後頭部に激痛が走った。 おそらく、もう一人の男が後ろから何かで殴ったのだろう。 仰向けに寝かされているので、殴られた後頭部がテーブルのようなものに触れていて痛む。 ガチャ 鉄製のドアが開いたような音がした。 「誰だ?」 「ようやく目が覚めたようだね」 「なぜ、おれがこんなことされているんだ?」 「あんた、飲み屋の代金が払えなかったそうだな」 「あんなもんぼったくりだ!警察に届けてやる」 「もう遅いよ。あんたは128万で私に買われたんだから」 「!?」 「わたしはあんたをどうしようと勝手というわけだ」 「おれをどうするつもりだ?」 「...拷問だよ」
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