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重い瞼を無理やり開けると眩しすぎる光に射られて顔をしかめた。
一度目を閉じてから、恐る恐る再び開くと、明るさに慣れた瞳がぼんやりと白い天井の模様と仕切られたカーテンレールを映す。
…どこ。
頭が重くて身体がだるい。
起き上がろうとしてもなかなか力が入らず、目線だけを動かす。
白いカーテン、ベット、繋がれた点滴、ナースコール。
どうやら病院に寝かされているらしいと分かる。
再び起き上がろうと身体を動かすと、
「…気づきましたか」
仕切られたカーテンが遠慮がちに開き、見たことのある男性が顔をのぞかせた。
えー、…なんで、あんた?
というのがとりあえず正直な感想で。
だってまずはやっぱり柚くんに会いたいし。
せめて病院なら美形のお医者さんとか。
優しいナースさんとか。
「わかりますか、私、…氷室と申します」
わかるけどー…
「このたびは大変な目に遭わせて申し訳ありませんでした」
氷室さんがピシッと立ち上がり一糸乱れぬ完璧な敬礼を見せた。
え、…あんた誰やねん。
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