second.21

6/11
4408人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
重い瞼を無理やり開けると眩しすぎる光に射られて顔をしかめた。 一度目を閉じてから、恐る恐る再び開くと、明るさに慣れた瞳がぼんやりと白い天井の模様と仕切られたカーテンレールを映す。 …どこ。 頭が重くて身体がだるい。 起き上がろうとしてもなかなか力が入らず、目線だけを動かす。 白いカーテン、ベット、繋がれた点滴、ナースコール。 どうやら病院に寝かされているらしいと分かる。 再び起き上がろうと身体を動かすと、 「…気づきましたか」 仕切られたカーテンが遠慮がちに開き、見たことのある男性が顔をのぞかせた。 えー、…なんで、あんた? というのがとりあえず正直な感想で。 だってまずはやっぱり柚くんに会いたいし。 せめて病院なら美形のお医者さんとか。 優しいナースさんとか。 「わかりますか、私、…氷室と申します」 わかるけどー…  「このたびは大変な目に遭わせて申し訳ありませんでした」 氷室さんがピシッと立ち上がり一糸乱れぬ完璧な敬礼を見せた。 え、…あんた誰やねん。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!