second.1

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経理課メンバー、課長と私と清水さんと谷くん。 みんないい人だけど、…今日も残業必須だ。 「あの、主任。見積書まだなら手伝います」 遠慮がちな谷くんの声に、気がつくと外はすっかり暗くなり、フロアも閑散としている。 22時。そういえば、お腹すいた。 「ありがとう。もう終わるから大丈夫」 入社3年目の谷くんは、真面目な気遣いくん。 課長と清水さんは、いかに仕事をしないかをモットーに生きているので、谷くんの優しさが私の癒やしだ。 でも、部下の仕事は上司の責任。 谷くんに肩代わりさせるわけにはいかない。 谷くんは何か言いたそうにしばらくこちらを見ていたけれど、諦めたように席を立ち、 「主任、俺のこともっと使ってください」 缶コーヒーを手に戻ってきて、私のデスクに置いた。
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