第1章

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この男はおれを拷問すると言っている。 「なぜ、おれを拷問するんだ」 「ふん。理由は自分に聞いてみろよ」 男は、つかつかと部屋を歩き何かの準備をしている。 「やめろ...」 「怖いですか?」 「やめろ...!!」 「それが人にお願いする態度ですかね?」 この時、一瞬男に感情が表れたようだった。 「お前はおれを知っているのか?」 「...さあ?」 男は、それだけ言うとまた何かの準備をしている。 くっそ!両手足は丈夫な拘束具かなにかでガッチリ固定されている。 男が近づいてくる。 目隠しされているぶん視覚以外の感覚が敏感になっている。 「時間はたっぷりあるんだから、楽しみましょう」 「なにをする気なんだ!!」 「...これ、なんだかわかります?」 男はそう言い、おれを腕に何かを軽く当てた。 それは、冷たく、金属のようだった。 「まさか、ナイフか?」 「ご名答」 「そのナイフでおれを切り刻むつもりか?」 「そんな野蛮なことはしませんよ」 「えっ」 「このナイフを使うのはたった一回」 「一回?」 「そうあなたの手首を切るのに一回だけ使います」 「そんなことしたら、死んじまうだろ!」 「まあ、いずれはそうなるかもしれませんが、すぐには死ねませんよ?」 「ふ、ふざけるなあ!!」 「暴れないでください。傷が深くなりますよ」 男はそう言うと、ナイフでおれの右手首を切った 「ぐわああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「お楽しいはこれからですよ」
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