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ナイフがおれの右手首に触れた瞬間ナイフが引かれた。
おれの右手首から熱い血が滴り落ちる。
「ぐあああ!!!」
「ちょっと深く切りすぎましたかね?」
「血を止めてくれええ」
「そういうわけにはいきません。あなたにはしっかり反省してもらわなくては」
「反省...だとお?」
「そうです。私は、ずっとあなたの近くに居ますから、ご自分の胸に手を当ててよく考えてみてください。ああ、手が縛られては胸に手は当てられませんね...ふふふふ」
「ぶっ殺してやるうう」
「おやおや、まだまだ威勢がいいですね。その元気いつまで続くことやら」
「くそう!くそう!おれが何したってんだ!」
「そうそう、参考までなんですが、人間の血液って大体4?5リットルほどなんですけど、そのうち1/3つまり1.5リットル程度の血液が無くなると死亡してしまうらしいですよ」
「ふざけるなあ!」
「そんなに暴れると血圧あがっちゃいますよ...」
「くそう!くそう!」
「私は近くに居ますから、お話があればいつでもどうぞ」
男はそれだけ言うと、おれのそばを離れたようだった。
くそ!くそ!なんでおれがこんな目に!
いやだめだ!まずは怒りを鎮めるんだ、このままでは血がどんどん流れてしまう。
すう?はあ?すう?はあ?....
深呼吸を数回繰り返すとようやく少し落ち着いた。
しかし、いぜん手首からは生暖かい血がぴちゃぴちゃと滴り落ちている。
このペースで血が流れたら一体どれくらいの時間で1.5リットルもの致死量に至ってしまうのだろうか。
考えろ考えろ...
おれが何をしたっていうんだ...!
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