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 着替えたら、必ず加住はここに来る。  それまでの時間で、どう対処するか考えておかなければと思い、立ち上がる。  同時に、背後で扉を2回ノックする音が聞こえる。  普通だったら、わざわざすぐそばにあるチャイムを無視してノックしたりするはずがない。  まさか、加住が…。  「…あっ鍵…!!」  慌ててドアを閉めようとドアノブに手を伸ばす。が、1秒俺の方が遅かったらしく、ゆっくり扉は開いていった。  そこにいたのは、予想した通り加住だった。  加住は、さっきと全く変わらぬ表情をしている。  「こんにちは、立花さん。約束通り願い、聞いてくれますよね」  「あんなの、無効だろっ…。おまえ、何考えてんだよ…!!」  距離をとりながら、顔色を窺う。  加住は玄関から一歩も動かず、真っ直ぐ俺を見ていた。  「大丈夫ですよ。僕はちゃんと立花さんの事を考えてますから。立花さんが嫌がることは絶対しません」  「…分かった。願いが何かだけ聞く。その後どうするかは、俺が決める」  笑顔ではい、と答えた加住は話を続けた。  「僕の願いは、『沢村さんに告白をしてふられてきてください』というものです」  また、思考が停止する。  この2日間でいろんなことありすぎ…。  今まで何事もなく、平和に過ごしてきたのに…。  加住は今までのものを全部壊すかのように、俺の心の奥を見透かしていく。
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