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「は…?なん、で、桐斗に…?」
「ずっと好きだったんでしょ、沢村さんのこと」
何、言って…?
何で俺が桐斗を…。
俺は、男同士が嫌いで…。
「立花さん、もっと自分のことも見てください。あなたが2人とずっと一緒にいたのは、あなたが沢村さんの事を好きだったからです」
俺、が…。
俺、は…桐斗のことが、ずっと…好き、だった…?
「…っ!!ちが…違う!!俺は…!!」
掴まれている右腕を振りほどき、頭を抱える。
その場にしゃがみ込み、必死に違う、違うと叫んでいると、ふいに加住が俺を抱きしめる。
「ごめんなさい、立花さん。あなたを困らせるつもりはなかったんです。でも、今のまだ不安定な立花さんじゃ絶対に僕の事を好きになってくれないと分かっていたので…」
優しく俺を抱きしめながら、悲しそうな声で言われると、その願いを聞きたくなってくる。
表情が見えないのってこんなに怖いんだ…。
でも、2人が付き合ってると聞いた後で、今更告白なんて…。
「大丈夫ですよ。きっと沢村さんもあなたの気持ち、とっくに気づいてると思いますし」
「…お前、いいの?俺、2人の仲ひきさいてでも桐斗と付き合おうとするかもしれないよ…?」
「立花さんの事、一番理解しているのは、僕ですから」
本当に、俺でも分からないことまで、自分は分かっているんだと言わんばかりの声で、その言葉をためらいなく話す。
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