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 「もう、何も考えられない…」  夏生の肩に頭を乗せ、夏生のぬくもりを全身で感じる。  「お疲れ、大翔。難しいことはまた明日落ち着いてから考えろ。3人もそれを分かったうえで言ったんだろうしな」  その言葉を聞いた瞬間、一気に体から力が抜けた。  ようやく心も落ち着き、ゆっくり瞼を下ろしかけた時、部屋にチャイムが鳴り響く。  夏生が玄関に向かい、俺はソファに寝転がる。  誰が来たのか確認しようと耳を傾けると、聞こえてきたのは、 「こんにちは…あぁ、もうそろそろこんばんは、ですかね。1年の加住と言います。立花さん、いらっしゃいますよね」  聞き覚えのある低く、心の奥まで届いてく加住の声だった。  「さあな。俺はずっと部屋にいたから知らねぇ」  「…そうですか。では」  またさっきまでのように心が苦しくなってきて、それから逃げるように俺は、必死に目を閉じた。
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