第1奇

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自分の席に座ると同時に、後ろの席にいるやつがむくりと起き上がった。 「よぉ、テストに遅刻とは、お前も受験が終わったから調子乗ってるんじゃないか?」 「うっせ、いろいろあったんだよ…。 というか、お前もテスト中に寝るとか、人のこと言えないだろ」 お互い様だろ、と付け加えると、相手はきょとんとした顔をして。 「は?全部解いたよ、見直しもして暇だったから寝たんだよ」 …そんな答えが返ってきた。 こんにゃろう…そんなことを平然と言いやがって。 そう、こいつは自覚のない天才ってやつだ。 そして、俺の友人でもある。 「そんなことより、テスト大丈夫か? 次のからやるんだろ?」 「あぁ、まぁ別にもうテストに意味もないしいいかな」 受験も一期で受かったし、テストはもうあまり意味がない。 「お前、知らないのか?…あぁ、あの時お前寝てたな」 「?」 「このテスト点数低かった人は、みっちゃんせんせーにこっぴどくしばかれてからの追試なんだぞ?」 「なにしてる、早く教えろてめぇ」
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