第1奇

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―で、放課後。 「覚悟はいいか?」 「おう、みっちゃんせんせー」 「はは、ぶち殺すか?☆」 「さーせん…」 時は結構過ぎ、校舎を出ると日は暮れていた。 季節が冬というのもあるかもしれないが、あきらかにそのせいじゃない。 「くっそ、みっちゃんせんせー…あんなに怒らなくても…」 今、若干げっそりしていそうだ。 ……ふと、足が止まる。 そこは昨日、あの風呂敷を投げられたところだ。 「…あれは、結局なんだったんだ?」 ぽつりとこぼすと、風が静かに吹き出した。 肌寒い……さっさと帰ろう。 そういえば、あの風呂敷の中身も確認してないな。 もし生ものだったらどうするか、あの少女には悪いが捨てるしかないか。 『……捨てたらコロス…』 「!?」 い、いまなにか聞こえたような……。 それも、すごい物騒な言葉が…。 「こういうの、ほんとにあるんだな」 なるほど空耳か。そう思うことにして足を家に向ける。 寒いし、さっさと帰ろう。
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