アイコラ

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「これ、アイコラだよね。アイツ、私を騙そうとしたんだームカつく」 そこまで言ってから、メールを返信する。 【To:由美 件名:Re:恐怖画像 8月19日(木)13:38 ちょっと、アイコラとか悪ふざけすぎだから! マジでびっくりしたじゃん! 一瞬焦ったけど、あれ女の人逆さにして入れ込んだだけでしょ? こんなことしてないで早く来い!】 送信をタップする。 すると、すぐに返信があった。 苛立ちを抑えながら、私はメールを見る。 【From:裕二 件名:Re:Re:恐怖画像 8月19日(木)13:41 何を言ってるの? そこに写ってるのは、膝小僧だよ? 怖かっただろ? もう○○駅に着くよ。すぐに行くからね】 「え……っ?」 体の穴という穴から、汗がジットリと吹き出してくる。 あれって、本気で言ってるの? いや、有り得ない有り得ない。 いやいや、どうせまた私を怖がらせようとして、ふざけて言ってるだけだよね? 私は怖かったけれどどうしても気になって、恐る恐る画像を液晶画面に表示する。 その時。 私たちが待ち合わせしている駅構内から、男性の低いアナウンスが流れる。 「お知らせ致します。さきほど、13:20分頃、○○線で大規模な脱線事故がありました。当○○駅からは、ご乗車になれませんので予めご了承下さい――」 アイツが乗っていたはずの電車が脱線したようだった。 私は彼氏とやり取りしていたメールの受信時間を確認して、思わずストンとスマホを落とした。
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