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「(た、頼む…いやお願いします…助けて、下さい、くっ…)」
僕が遠くを見ながら現実逃避していると、何処からともなくそんな戯れ言(心の声)が聞こえてきた
物理的な音としては水分を含んだビチャがよく聞こえてきたくらいだ
本心を言えばスルーしたい…いやむしろ空耳で済ませたい
だが…………とっっっっっっても大事な理由があって僕はあの殺人(殺天使)を止めなければならない…くっハゲなんて死ねばいいのに
そう願っているのは本心だし、理由さえあればすぐにでもこの手で殺している(後で地球の神(友)には文句を言われるだろうが、それだけは譲れない)
しかし、今のままあのハゲに死んで貰っては問題がある
僕の主観としてだが…あんなハゲの血で、華麗にして彫刻のように美しく、真っ白な肌はこの世で最も尊い、まさにこの世界の至宝とも呼べる“僕の”ミカエルを、そんな穢いモノで汚したくないのだ
もう物理的には手遅れなほど赤く染まっているが、それは自分ので見慣れている…と言うか何と謂うか…
まあ、精神的な意味で手が赤く染まらなければいいと思っている
その為にも、仕方なく…“ミカエル”の為に止める事にした
それに正直、僕の事は基本放置なミカエルにあんなに気にかけて貰えて、触れて貰えている様がまるで"俺はここまでミカエルと仲がいい"と自慢されているようでムカつくっ!!
苛々する…ミカエルがハゲの事を昔から特別扱いしてたのは知ってたけど普段は会わない(会えない)と思って油断した
彼奴は後で殺そう、そうしよう…
大丈夫、少し手間だけど存在そのものを消してやるから"元から居なかった存在"になるからミカエルは悲しまないよ~ふふふっ
『ミカエル…そのぐらいにしてあげてはどうですか?私はもう怒ってはいませんし彼にも何か深い考えがあっての行動でしょう』キラッ
わた…僕はそれはもう聖人君主のように爽やかな笑顔を携えて心の広大さをアピールした
ええ、それはもう優しさのオンパレードの予定です
『男というモノは例え死ぬと分かっていても逃げてはいけない時がある難儀な生き物なのです。ハ…彼にもきっと何か退くに退けない事情があったのでしょう。私もムキになりすぎました申し訳ありません』
見よ!この素晴らしい人格者を…
これこそ理想の神様でしょ?これでミカエルの中の僕の評価はうなぎ登り…くふふっ
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