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話は、戦国時代を舞台にした歴史小説。
特に歴史が好きなわけじゃないけど、余計なことを考えなくてもいいと思ったから。
俺の日常は、煩わしいことだらけだ。
若い時から散々遊び続け、30歳を過ぎた今。
俺自身は何も変わっていないのに、関係を持つ女性の意識がどんどん変わって
関係が長引くにつれ自分の立場をある形に当てはめようとしだす。
だけど、恋愛として楽しむにはいい女だとしても、結婚するとなると違うと感じる部分があって。
結局、結婚する気がない俺と付き合っても申し訳ないからと別れを切り出せば、
そんなんじゃ納得しないと泣く女とドロドロの別れを繰り返す。
すべて俺が悪いんだけど、だからって妥協して結婚するわけにもいかない。
「結婚って…そんなにしたいもんかな……」
ボソっと呟いた俺の声は、誰の耳にも届かず空中を彷徨い消滅する。
ペ-ジから外した視線を床に落としたのと同時に、胸ポケットに入れていたスマホが1度ブルっと振動し、その短い合図に一瞬で憂鬱な気分に落とされた。
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