再会

7/11
前へ
/300ページ
次へ
家出をするような人間じゃなかったし、そんな家庭環境でもなんでもなかったから、余計わけがわからなくて無性にイライラしたり。 長い付き合いの俺にも何も言わずに消えた彼女のことを、理解できなくて もどかしい気持ちに苛まれる日々を過ごしてきた。 あれから6年。 その間、連絡1つしない彼女の存在は、忙しい毎日を過ごす俺の中から少しずつ薄れ始め いなくなってからしばらくは心配していた俺の両親も、彼女のことを話題にすることは日に日に少なくなっていた。 元気にしているんだろうか…。 お化けとか、心霊的なものを異常に怖がるくせに、そういう番組を興味本位で見たがって、 結局、俺の忠告を一切無視して見た後、泣きながら電話してきたりしてたな。 電気消して寝れないって言って、朝おばちゃんに怒られたって肩を落として学校に来たり。 すぐに元気になってたけど。 遠い記憶の彼女の欠片を思い出して、思わずクスっと笑ってしまった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

131人が本棚に入れています
本棚に追加