131人が本棚に入れています
本棚に追加
家出をするような人間じゃなかったし、そんな家庭環境でもなんでもなかったから、余計わけがわからなくて無性にイライラしたり。
長い付き合いの俺にも何も言わずに消えた彼女のことを、理解できなくて
もどかしい気持ちに苛まれる日々を過ごしてきた。
あれから6年。
その間、連絡1つしない彼女の存在は、忙しい毎日を過ごす俺の中から少しずつ薄れ始め
いなくなってからしばらくは心配していた俺の両親も、彼女のことを話題にすることは日に日に少なくなっていた。
元気にしているんだろうか…。
お化けとか、心霊的なものを異常に怖がるくせに、そういう番組を興味本位で見たがって、
結局、俺の忠告を一切無視して見た後、泣きながら電話してきたりしてたな。
電気消して寝れないって言って、朝おばちゃんに怒られたって肩を落として学校に来たり。
すぐに元気になってたけど。
遠い記憶の彼女の欠片を思い出して、思わずクスっと笑ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!