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「大丈夫?」
潤君に肩を貸し支え、車椅子からベッドへ腰を移し、二人でベッドに並んで座った。
「うん。ありがとう。……秀……」
潤君はあの時のように、俺のうなじを押さえ、そっと顔を寄せてくる。唇が触れた。
その温度も、弾力も……俺の記憶のままだった。
その唇に俺は軽く吸い付いた。潤君も返してくれる。
数回吸い合ってオデコどうしをくっつけた。
「俺、……泣き虫だった?」
「うん。すげー可愛かった。しがみついて……大好きだって……言ってくれた」
……そこまで聞いてないし。
俺はムッとして、潤君の唇にもう一度チュッとキスして、もう一つ質問した。
「気持ちよかった?」
「あ……てて……」
その声にどこか痛いのかと慌てて潤君の状態を確認した。
潤君は大丈夫な方の手をベッドについて腰を上げ、股間の位置を直していた。
むむっ!
「思い出したら……気持ち良かったよ? 秀は?……初めてだった?」
むむむっ!!
「ご想像にお任せするよ」
潤君が嬉しそうにニコニコして言った。
「うん。俺、リハビリ頑張るよ。待っててね?」
意地悪ばかり言う潤君に、俺は片方の口角を上げて言ってやった。
「期待してます」
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