ドローン

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今日も俺は、敵国の見知らぬ人間の心を乗っ取り、戦争を煽るように操縦する。 (せめて一瞬でも、相手と心が通えれば救われるのに……) 心を乗っ取った相手の眼から見知らぬ街を眺めながら、俺は束の間そう願った。 「ふふふっ、その願いを叶えてあげるよ」 いきなり、乗っ取ったドローンがそう言った途端、俺の身体は主導権を奪われた。 「ッ!?!」 隣のオペレーターが、「乗っ取られた!」と取り乱して叫んだ。 「逆ドローンを敵国が開発していたのか!?」 上官が発した絶望の声を聞いた。 (今度は俺たちの番か) と腰の拳銃を抜かされながら、諦観に似た感情を相手と共有した。 (やれやれ、やっとこのクソッタレで戦争の絶えない世界に別れを告げられる) トリガーを引きながら、俺は束の間そう思った。
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