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「一年だけとゆう約束じゃ。そして一年がたてば必ずこの海に戻りわしと結婚し女王となるのを条件に、わしは婆さんの願いを引き受けたんじゃ」
「じーちゃんは昔から心が広かったんだぁ」
アタシは人魚の世界の常識からかけ離れたこの話に胸が高鳴った。そして血が騒いだ。
「それはちと違うかの。強いて言えばどうしても婆さんと一緒になりたかったわしの、精一杯の駆け引きだったんじゃ」
「ふぅん…それで、ばーちゃんは人間界へ行ったの!?」
じーちゃんは一呼吸置いてから頷いた。その時点で、アタシの胸の高鳴りは頂点に達していた。
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