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地球は緑の瞳でそんなことをぼくに真っ直ぐに訴えてくる。
ごめんよ。ぼくにはどうすることもできないんだ。ゆるしておくれ。
こうして膝を抱えるしかできなくて、遠くからきみを見守ることしかできなくて、今日も今日とて蒼の髪が黒くなってゆく。ぼくは足首に添えていた右手で自分の前髪を触ってみた。今日のぼくの髪は真っ黒け。太陽が遠いから。ぼくは彼女がいなくちゃ輝けない。いつも紅く燃え盛る太陽(ほし)。地球は太陽に背を向けている。そうしなくちゃ眩しくて目がおかしくなってしまうから。ぼくも彼女を直視することができない。彼女の燃えるような赤髪はとても美しいのに。
月よ。ぼくたちはいつまでかのじょのそばにいられるんだろうね。
美しくあたたかく、ぼくらをひかりで満たしてくれる彼女に地球とぼくは恋してる。彼女の紅い髪に触れてみたい。彼女に跪いて、彼女のあたたかい手にキスをおくりたい。でもそれはできなくて。背中に彼女のひかりを感じ、彼女の与えてくれるひかりに口付けるのがぼくたちにできる精一杯だった。
地球よ。ぼくたちはいつまでかのじょのそばにいられるのでしょう。
地球の問いをぼくは殆どオウム返しする。
広大で暗い宇宙の、隅か真ん中か、そんな場所でぼくたちは、ぼくたちの破滅のときを膝を抱えてまっている。
20091222
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