第一章・ーながれてー

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 驚いて見上げると、……ぼとり。ぼたり。  ナニかがぼとりと落ちてくる。  ……? 何だ? 気持ちの悪い。また流すか。  そうしてごぼごぼ。また無事に流れてくれる。  何だよ。一体何がある? また落ちてくる。ぼたぼた、ぼたり。ぼとり。  ああ気持ちが悪い。  このまま落ち続けるのも落ち着かないため、思い切って辺りを探り落ちるモノの正体を確かめようとした時ーー。  ぼとり。  顔に、ソレが、ついた。  ああ! 何だ! この生臭く醜悪なモノはっ。赤黒く、ぐにゃぐにゃと、本当に気持ちが悪いっ。  慌てて払い除けようとして、気付く。  ……足が、揺れている……?  見上げると、そこには“私が立っていた”。  ……え? ぼとり。なら、今、ここにいる私は……? ぼたり。一体誰だ。ぼたぼと。  揺れている。浮いている。ソレは首吊りした私。  ……なら、コレは……?  ああああああああああああっ。  流して、流れてしまった! 私の、私の大事なっ。誰か、誰か取り戻してっ。ちょうだい。助けてっ。誰が流したぁぁぁぁぁぁぁぁ……!
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