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額から流れ落ちた汗が、キーボードに落ちた。
鍵沼が俺のメールを信じて、実行さえしてくれれば終わるんだ。
頼む、俺を信じろ。
パソコンの画面に向かって、俺は祈った。
だが、それからしばらくたっても鍵沼からのメールは届かない。
徐々に、俺は落ち着きを取り戻していった。
きっと鍵沼は、俺の言うとおり彼にナイフを刺したんだ。
そして、それが「幻影」だと気づいたに違いない。
そう思うと、体の力が抜けた。
そして、気の抜けた笑いがこみ上げてきた。
新しいメールが届いたのは、そのときだった。
俺の体は、一瞬で緊張を取り戻した。
急いでマウスを手に取り、そのメールを開いた。
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