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座った際に、それぞれの自己紹介は済ませていた。最初にみゆきに声をかえた酒井康男は、今は体育教師をしていると言う。ディーラーマンをしている佐藤茂樹。実家の家具屋を手伝っている根元実。そして――上原怜央という男。
几帳面で、人当たりも悪そうだ。明るい店内で改めて見ても、その印象は変わらない。どうしてこの男の前で、みゆきはここまで萎縮してしまったのだろうか。
最初は気のせいかもしれないと思っていた。店に入ったみゆきはいつものみゆきに戻っていたから。
でも、そうじゃないと分かってしまった。
笑って、みんなと話をして、時々、上原の様子を探って、逃げるように視線を逸らす。
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