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ナニ、俺。
今、何を想像してた?
いやいやいやいや、ありえねー。
ヤローのエロシーンなんか妄想して、何が楽しんだよ。マジであやちゃんとのデートキャンセルがここまで妄想を拗らすとは……。
「本当にお前今日おかしいぞ?大丈夫か」
ついさっきまでの、やたらリアルな妄想に、何だか相手を直視出来なくて苦笑い浮かべたまま急いで椅子に座り直す。
「あーーー……、昨日飲みすぎたからちょっと二日酔い残ってんのかもしれないっすわ。昨日合コンで飲みすぎちゃって。だってめっちゃ可愛い子ばっかで、すげー当たりで。あ、今度主任もどうっすか!?合コン。合同コンパ。知ってます?スッチーか看護師かー。主任だと入れ食いっすよ~?よっ、イケメン!!」
頭のネジでも吹っ飛んだかのように口が止まらない。喉がやたらと渇いて、既に冷めた不味い珈琲を一気に喉に流し込んだが、気管支に入り込んだのか噎せて咳込んだ。
「…………」
無言のままの鬼上司。
何とか言えよ。
なんか変な空気になっちまったじゃねーか。
ふいに。
アイツが、振り払った筈の俺の腕を再び力強く掴んだ。
「ーーーっ!?」
長い指。
整えられた綺麗な爪。
間近に感じる息遣い。
仄かに香る香水の匂い。
駄目だ。
持ってかれるーーーー!!!!
「新藤」
耳元で鼓膜震わす湿った声色。
「………っ」
喉が鳴り。
背筋が震え。
瞬きを忘れた。
「お前確か……。昨日、体調悪いって、早退したよなァ…?」
「ーーーーーーーーッ!!!!」
嗚呼やっぱり。
神様、俺はこの男が。
大っっっ嫌いです!!!!
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