はるかちゃん

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 一昨日、クラスメートのはるかが死んだ。 「本当にねぇ。こんな形ではるかの好きな人に会うなんて・・・」  葬儀の席ではるか母が泣きながらそう言った。  クラスメートといっても仲が良かった訳じゃない。正直、はるかと仲の良いヤツなんてクラスにはいない。クラスで一番暗くて陰気臭い女子だった。  あまりにも仲の良いヤツがいないばっかりに、担任が仕方なくくじ引きで男女一人づつ、葬儀に参列する人を決めたぐらいだ。  そんな葬儀の席で、はるか母に「好きな人」・・・と言われても、正直迷惑でしかない。 「ほら、これをご覧になって」  泣きながらもはるか母はスマホを取り出し写真を見せてくれた。  多分、学校に張り出された校外学習の写真だ。担任が撮影し、欲しい写真を選んで購入する・・・というものの一枚。  確か、デジカメを持った担任を見つけて、秀一と二人で肩を組んで撮った写真だ。その写真をスマホで撮影し待ち受けに使用していたようだ。
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