第1章

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「今日さ、井田うざくなかった」 「あー、分かる。でも、一番ウザかったのは現国の二之宮だよね」 「あー、分かる。何がウザいってうちらの事見すぎじゃん。五回も目が合うとかストーカーだし」 現国の二之宮は真面目に授業を聞く生徒ばかりを見てくる。二之宮は百合佳を息子の嫁にしたいと公言している。 「お待たせ」 部活が終わった紗良が合流した。 「お疲れ」 「紗良は良いよね、運動するから細くて。百合佳も普段はバイトしてるし肉の塊はあたしだけか」 「なな実は痩せてるわ」 「何奢るかね。あっ、クレープを紗良様に」 単純な私。 「今気付いた、なな実のハンカチ可愛い」 「あら、よくぞ気付いてくれた。オニウなの」 「可愛い」 「褒められちゃった。百合佳はチョコバナナだよね。紗良はチョコ&バニラアイス」 「「うん」」 「お待たせ」 クレープを買って、二人の居る場所に戻る。 「こっちが百合佳ので、こっちが紗良の、これはなな実ちゃんの」 「ありがとう」 「ありがとう。なな実単純やな」 「そうなの。ま、クレープ食べよ」 クレープを食べながら教科担の悪口をペチャクチャ。 「その袋何」 遅れてきた紗良が百合佳の横の袋を指差して聞いた。 「お母さんのプレゼント」 「可愛いのが有ったんだよね」 「良かったね」 「うん」 何気ない日常が何気なく過ぎて行く、はずだった…。
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