探求の闇

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「西、闇ってなんだと思う?」 いきなりの質問に西は戸惑った。 「闇ってのは暗くて・・・。もの悲しくて、寂しくて、残酷で、怪しくて・・・。人の心に関連付けるなら“自分の裏の人格”でしょうか?」 「自分の裏の人格・・。」 それを聞いたとき自分の裏の人格は何だろうと考えてしまった。僕の性格からしたら裏の人格は・・・。 「暴力的な人・・・?」 「え?」 僕がふと出した言葉に西はびっくりしていた。 「いや、僕の裏の人格は何だろうと思って。」 「千尋さんの裏の人格も素敵だと思います!!」 西はきらきらした目で僕の顔に近付いた。手もぎゅっと握ってきた。 「千尋さんは裏も表もないと思います!あったとしてもすべて僕が受け止めます!」 何コレ・・・。ちょっとした西のアレも入ってるし。まぁ、僕的にはそういうところも好きではあるが。恋愛的にではない。人間としてだ。 「なぁ・・・?西は闇に堕ちるなよ?」 「僕は大丈夫です!奴にも負けませんよ!僕に一部の隙もなーーーーい!」 西は天井に向けて万歳をして大声を出した。いつもポジティブな西勇輝。 僕にはうらやましく思う。 西は落ち着いたところで自分の席に着いた。 「闇。心の闇は僕にはまだまだ理解できないな。ただ言えることは奴や、自身の心に闇を持ったものが一線をを越すことを僕らが止める。罪を犯す前に・・・。」 犯罪者は小さな罪を犯した者でも僕は嫌いだ。 ――――――――― 「闇。僕は利用されている。」 西のつぶやいた言葉は第1課に吹き込む風にかき消された。 その風は少し肌寒かった。
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