堕ちる

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「目をつぶってごらん?それをよく思い出し、感情を出してみなさい。」 僕は言われるがまま目をつぶり、いろいろなことを思い出した。 「   あああっ  いや   止めて   うううう   僕  僕は  ちがう  いやだいやだ  僕   僕はああああっ」 ――昔、学生の時いろんな奴にいじめられて自我を失い、人を殺そうとした。その時は、先生などに止められてなんとか殺しをする手前で終わった。 しかし、その恨みはまだ晴らされていない。 また、世の中を恨み、善人を恨み、いろんな人を恨んだ。 僕の精神は昔、異常であったのだ。 だが、カウンセリングを受けるにつれて僕は普通の人になった。 その時に「笑顔を絶やさない」と心に決めたのだ。 「君はその恨みをそのままにしていいのか?」 「え・・・。それは・・・。」 目をつぶってるのに、彼にいろいろなところを見られている感覚がする。彼に僕の心の内を握り掴まれている感じがする。 「――。表に出せ、裏の自分。」 また何かの呪文のようなものを僕の耳元へ囁いた。 すると僕は僕じゃなくなった。心を割られたような音がした。 「西クン?目を開けてごらん?」 「・・・・・。クククっ。アハハハハハハハハハ!!」 「いらっしゃい西クン。僕が君の恨みを晴らしてやろうか?」 「あははっ!それは面白い話だね。・・・この世を壊滅にしてやる。」 出てきた。彼の裏の人格。人は裏の人格を現してこその人だ。 「その前に。西クン。僕の駒になってくれないかな?それが条件だ。」 「いいよ。・・・早く刃に濡れた血の味・・・。楽しみたいなぁ・・・。」 狂った彼。 うまくいった。さぁ、もっと狂え!! そして闇色に染まれ!! 「かわいい西クン。今日から君は僕の手足となるのだ。」 闇に染まって僕の楽しみを増やしてくれ。 「これが・・・闇だよ。西クン。」
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