第1章

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 「警察に自首して下さい」  真夜中に突然メールが届いた。送信者は登録していない人物のようなのでアルファベットと数字の羅列となっていたが、 警察に自首しろとはどういうつもりなのだろう…着信音で叩き起こされたばかりで、誰かからの悪質な悪戯かと思いながらも、働かない頭を稼働させ、警察に自首しなければならない理由を掘り起こす。  然しどう考えても無いのだが、  「6月31日の晩、私は貴方を見たんですよ」  見ただって?  一体僕の何を見たと言うのだろうか。 6月31日の晩、あの日は梅雨時とあり雨が酷く降っていた。昼間はかんかん照りだったのにいきなり土砂振りになったから僕はビショビショになりながらあの場所から引き返した。  普段しない事は唐突に始めるもんじゃないや。と酷く後悔したな…  「あなた、遺体を埋めましたよね?」  遺体を埋めたかだって…? そう言えば確かに埋めたよ。遺体は重たくて運ぶのも怖かったし、呪われでもしたらどうしようかと本気で震えあがったよ。  「あなたが殺害した相手を、其処に」  僕が…、人殺しだって…? 僕は人を殺した覚えは一度だって無いのにどうして勝手に決めつけるんだ。  「――――!!」
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