第1章

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 ひょっとしたら僕は無意識の内に誰かを殺害して気が付いて焦って遺体を埋めたのかも知れないし、 僕は多重人格者で残忍な副人格者が動いて殺害したのかも知れない。 然し。僕には殺害したいと思う相手がいただろうか。 皆目見当が付かない。 そもそも多重人格者は自身の副人格を自覚する事は不可能だ。 おかしな点ならもう一つある。 僕はメールの返信をしていないのに相手から一方的に送信が来るばかりだ。 これは夢か? 現実のような夢を僕は見ているのだろうか。もしそうならば早く覚めて欲しいが、 夢であったとすると6月31日の出来事も夢の中の架空の話になってしまうが、夢に明確な日付けと質感、そして鮮明な過去の記憶があり、それについて思考する僕がいると言うのも奇妙な話だ。 ではこれは夢でなく現実の出来事と言う事になる。
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