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僕は聞いた番号に電話した
あれっ…留守番電話サービスだ
「僕、鈴木といいます…スマホ無くしてしまったのですが
拾っていただいたようで…いま羽田空港にいます…
また連絡します…」
何度かかけたがつながらない…
いま12時10分…もうギリギリだ…
会社に戻ろう
念のため電話を入れよう
「お疲れ様です…管理課の鈴木です、何度もすみません
マモルさんお願いします…」
『鈴木くん?本当にタイミングいいよね…
電話したんだって…急用でもう空港にいないって
だから会社に届けてくれるみたいだよ…
13時まで戻って来れる?』
「えっ、本当ですか…じゃ、すぐ戻ります…
ありがとうございます…」
何だよ…最初から届けてくれたらいいのに…
さぁ、13時までに帰らないと…
僕は順調に乗り継いだ
もうすぐ会社の最寄駅…会社まで走って5分
駅に着くのが12時54分ギリギリだ…
ドアが開いた…僕は猛ダッシュで会社を目指した
会社の目の前の信号が赤だ…
早く変われ…変わった…走った…
会社のエントランスを抜けフロアへ急ぐ
着いた!何時だ…
12時59分間に合った…部長は…?
「あれぇ、鈴木くん…間に合わなかったんだ…
もう始まってるよ…」
「えっ、でもまだ12時59分…」
「あれっ、知らなかった?うちの会社、全て5分前行動だって
だから…もうアウト…マモルくんで決定だね…」
「マモルくん?」
「うん、岩田マモルくん…きみの隣の席の…」
あいつがもうひとりのやつだったのか…
さっき教えてくれれば…
机をみたら探していたスマホが…
良かった…戻って来た…
ロックを解除すると
メールが1件
「無駄な散歩ご苦労様…
大切なスマホは返してあげる
悪く思わないで
岩田マモル」
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