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「あっ…スマホ忘れた」
スマホを片時も離さない僕は通勤バスにダッシュで飛び乗り
ほっとして左手を見たら…
片時も離さないはずのスマホが無かった…
次で降りて家へ戻ろうと思った
だけど…思いの外バスがぎゅうぎゅう詰めで
降りる事を諦めた
今日は午後半休にしよう
これじゃ仕事にならない
特別、楽しくも忙しくもない仕事が始まる
来る途中のコンビニでマスクを買い
帰るための準備をした
「鈴木くん、風邪かい?うつさないでくれよ…
俺の奥さん妊娠中なんだから…」
「はい…午後半休します…」
「きみは急ぎの仕事は無いだろ…
いつも締め切りのない仕事だけなんだから
いなくったって問題ないよ」
「はい…」
「あれっ、鈴木くん風邪?」
「はい…咳が…」
「やだ…うつさないでよ…
鈴木くんの風邪もらったなんて噂になったら
勘違いされちゃう…
私そんなにレベル低くないから…」
「鈴木くんちょっと…」
「はい部長…」
「体調悪いのか?
みんなが鈴木くんを帰せってうるさいんだよ…」
「あの…午後半休で…」
「いや、すぐ帰りなさい…
迷惑なんだよ」
迷惑ってなんだよ…
でも帰れる…って事だよな…
「しばらく休みなさい…
きみの代わりはいくらでもいるんだから心配せずにな…」
「すみません……帰ります……」
しばらくって、僕は時給なんだよ……
明日来てやる……
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