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僕は急いで家に帰った
そしてスマホを探した
あれっ……ない……
殺風景な僕の部屋でもの探しなんて
見渡せば見つかるはずなのに
バス停まで走った時に落とした……？
家から出てバス停までの道をくまなく探した
ない……バスの中で落とした……？
公衆電話を探してバス会社に電話した
今日は携帯の落とし物、忘れ物はないと言う
念のためと連絡先を聞かれたけど
スマホがなければ連絡が取れない
しょうがなく会社の電話番号を伝えた
会社に戻ろう
慌てて会社に戻った……
マスクを外して部長のところへ
「鈴木くん、どうした？
帰ったんじゃないのか？マスクは？」
「病院に行ったら風邪じゃないって言われたんで」
「だからって戻らなくても……」
「大丈夫なんで、仕事します……」
席に着いたら
「鈴木くん、戻ったんだ……
さっき女の人から電話があったよ
携帯には連絡先をメールしたけど……見た？
何でも海外に行くから2時間以内に連絡くれって
電話がどうのこうの言ってたな
連絡来なかったらゴミ箱に捨てるけど
悪く思うなとか……」
「僕、スマホなくしたんです……
連絡先もう一度教えてください……」
「悪い……マル秘の紙にメモしたから
シュレッダーにかけちゃたよ……」
「じゃ、送信してくれたメール……」
「俺、いらないのその場で捨てちゃうんだよね」
何て使えない奴だ……
どうすればいいんだ……
あのスマホには僕の全てが……
あれがなかったら何も出来ない……
「あの……その人他に何か言ってませんでしたか……
どこにいるとか、どこに行くとか……」
「えー忘れたよ……
あっ、そうだ！電話しながらタクシーにでも
乗ったみたいで、確か羽田に行ってって……
11時40分がどうのって聞こえたような…」
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