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そこには、自分ではない別の顔が映っていた‥‥
(これは!!)
この事実に驚いてしまう‥‥
(どういう事だ?確かメール開いた後に‥‥車に引かれそうになり‥‥ここにいて‥‥)
今までの出来事を思い起こすと混乱するが、やはりどう考えても自分が別の誰かに成り代わったとしか思えなかった‥‥
(‥‥‥‥)
色々考えて悩むも、良い答えが出てこない‥‥‥
この家族に今まであった事を話してもどうせ信用して貰えないし、頭がイカれたとしか思われないだろう‥‥
その後、自分のいる場所はここではないと思い、ベッドから出ようとして足を動かしたが、足の感覚が無い。
(あれ?)
おかしいなと、あたふたしていると父親が話し掛けてきた。
「和彦‥‥実は、病院の先生は、お前の両足は‥頭をぶつけた時の損傷が原因で動かなくなったと言っていた‥‥」
「え!?」
確かに両足を無理に動かしても全く動かない‥‥
「そんな!!」
俺はそのショックからキチガイの様に叫んだ‥‥
「うあぁぁぁ~~~」
それに対して家族は皆、どうしようと不安そうな顔をして宥めるだけだった。
その後、時間が経つと共に俺は少しずつ落ち着きを取り戻していった、でもよく考えたら自分はこの状態で一生を送るのかと思うと、絶望感で一杯になり先が見えてこない。
「くそっ」
そうこうしてると、父親がまた俺に話し掛けてきた。
「警察が聞き込みした話しによると、和彦がこうなったのは赤い車が原因と言う話しだったが?」
「そうなんだよ!あの野郎が俺がいるのにも関わらず車で突っ込んで来たんだ!」
「‥それは酷い話しだよな‥‥それで和彦は車のナンバーとか乗ってる人の顔を見たのかね?」
「うん、ナンバーは見れなかったけど顔は少し見えた気がした、でもはっきりとは分からない」
「そうか‥‥警察も今回の事は防犯カメラのない場所なので分からないと言っていた‥‥せめて顔を覚えてたならな」
そう‥顔は見えたはずなのだが、どんな顔だったのか思い出せなかった‥‥
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