第一章

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頭おかしい金持ちしか集まらない男子校、如月学園に入学して早一年がたった今日。 『ドキドキ☆年に一度の寮部屋引っ越し抽選会!!』 というクソどうでもいいイベント (?) が現在体育館で開催されている。 何故年に一回部屋変わるんだよ… ぼくちん今のままがいいお。 俺、柊木凛太郎(ひいらぎりんたろう) は、 鬼姉の指導の下、超ド級のスパルタ教育の末に学年首席で入学してしまった俺に与えられた唯一のご褒美だった一人部屋とも今日でお別れか… 最初の一年だけなんですか、この制度。 いやホント、なんで俺この学園に入学しちゃったの? 鬼姉の言うことは絶対だけど、絶対だけども!!!! まさか高校まで姉の支配下だなんて思ってなかったお!!!! 学費全額免除の為にずっと首席キープしとかないと死んじゃう状態とか!!! くっそ!!!何しにクソむさくるしいホモばかりの男子校に行かなければならぬのだ!!!! おにゃの子とイチャイチャラブラブスクールライフ送りたかったお!!!! これじゃあいつまで経ってもDTのままじゃねーか、糞!!!! DT卒業の前に処女喪失ってか?wwwww 冗談じゃねー!!!!!!! 「では次の方どうぞ~」 そう言われた俺は部屋番号が書かれている紙が入った抽選BOXに手を突っ込んだ。 もうこれ俺の数少ない運を使って一人部屋勝ち取るしかない。 よし、やってやる。 一人部屋の幸せ、再び!!!!! 「ソイヤーーーーー!!!!」 一枚の紙を掴んだ手を天高く掲げる。 「お、大当たりぃ!!!!!!」 係りの学生が驚いた顔でそう叫んだ。 え?うそ、え? 大当たり?マジで!?まさか一人部屋!?! え、てかなんか金色の紙に数字の「一」が書いてある!!絶対一人部屋だぜ!!! キタコレ俺強運の持ち主だったぁ!!!! 「おめでとうございます!!生徒会庶務の一ノ宮麗(いちのみやれい) 様と同室です!」 「うおっしゃぁぁぁ…あ?」 俺の雄叫びは虚しくも体育館に消えていった。
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