実体験をあなたに…

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このお話は、かれこれ8年ほど前からになります。 ボクはとある会社の事務員をしていました。 ボクは元々声が自慢だったこともあり、無意味に指名を受けたりしていました。 事務員は二人。 ボクのが若い。 やっかみもありました。 若さだけですが。 そんな中、とある取引先の担当の方から、アドレスを聞かれました。 しつこかったので、アドレスだけ教えることにしました。 ご近所でもあるので、下手に断れなかったこともあります。 それから、数日に一回はその方からのメールが来ていました。 大概は酔っ払いメール。 適当に返信をすると、酔っ払った勢いで口説いてくる面倒臭さ。 ある日、事務所にその担当の方が現れたときに見てしまったのです。 …………………彼の指に指輪が光っているのを。 それからは、メールが来ても一切返事をしなくなりました。 あ、別に好きだったとかではなく、『奥さんいるのに口説いてんじゃねぇよ』的な意味合いです。 それでは、本題に行きましょう。 ボクは何故かその会社の若手リーダーに気に入られていました。 寮にご招待頂いたり、ドライブに指そって頂いたり、ゲーセンに同行したり。 ボクは、自分が20代半ばという自覚が一切なく、全体的に幼いために気がつかなかったんです。 年が離れていたせいか、妹のように思われているんだろうと思っていたんです。 飲み会では、帰りに送って下さったり、大変親切な方でした。 そんなある日、誰もいない事務所で告白されました。 ボクは冗談だろうと、軽くお断りしたんです。 まぁ、ボクの守備範囲って年下なんで。 その帰りにボクはいきなり腕を捕まれ、開いた車に引き込まれて、びっくりしている間に…。 ……キスされてました。 「…ごめん。迷惑だよな。」 そう言って離してくれたので、一目散にチャリに跨がり、逃げ帰りました。 まぁ、ここまではよくあるラブコメかよ!的な展開なわけですが。 お分かりのように、その後ギクシャクしましたよ。数ヶ月。 彼が親切なのは全くかわらないのですけど、ボクはその会社を辞めました。 それから、一年が経ちました………。
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