8人が本棚に入れています
本棚に追加
泣きそうになる私を、元気づけるように、励ますように、爽やかな笑顔で言ってくれます。
「こうきふぁん、そんな、ふぉんとに・・・・ふぁーん!!」
私はその昂揮さんの笑顔を見て、おもわず、人目も憚らず、泣き出してしまいました。
もう、何もかまわずに両手で顔を覆って。
「あ!?結愛?ちょっ、ちょっと落ち着け。な?落ち着こう」
昂揮さん、慌てて私を慰めてくれます。
周りは私たち二人を何事かという眼差しで見つめてます。
仕方ないじゃないですかっ。
昂揮さんがこんなに優しくしてくれるなんて、ものすごーく嬉しかったんですから。
「ふぁって、ふぁって、ふぁたし、デートできなかったら、昂揮ふぁんに嫌われるかってふぉもって、すごく、こわかったから・・・ふぉれが、昂揮ふぁんから、すごーく優しくしてくれて、なにがなにやら、ふぁたし、ふぁーん!」
最後まで言えずに、私は嬉しくて泣くしかできませんでした。
赤ん坊のように、ただ、泣いていました。
昂揮さん、困って私を慰めてくれてます。
だけど、私は泣き続けます。
涙が溢れでて止まりません。
嬉しくて嬉しくて仕方ありませんでした。
そして。
少ししてから、落ち着きを取り戻しました。
「はい、ハンカチ」
昂揮さんからハンカチを渡されます。
私はそれを受け取り、涙を拭きます。
「昂揮さん、ありがとうございます」
ペコリと、座ったまま会釈。
私、泣き腫らした顔で昂揮さんを見ます。
「昂揮さん?」
「うん」
「ごめんなさい。私が体調が悪いから、昂揮さんに迷惑かけて・・・」
「迷惑なんて、そんなこと思ってないよ。それより、身体、大丈夫?落ち着いたか?」
昂揮さん、私を本当にいたわってくれます。
すごく優しいです。
「はいっ!大分、マシになりました。昂揮さんのおかげです」
ニッコリと昂揮さんの心配を取り除こうと、元気を出して、無理にでも笑顔で答えます。
昂揮さん、それを見てホッと安心してくれます。
「そうか、なら安心したよ」
言った後、自分もお蕎麦を食べます。
でも、蕎麦が延びちゃってるみたいです。
一口食べようとしたとき。
「はい、これお食べ」
お店の店員さんが、トンと、温かいお蕎麦を昂揮さんの前に置きました。
格好から見て、ここのおかみさんみたいですね。
さきほどお店の中で、色々と店員さんに指示を出していたみたいですから。
「あ、あの。これは?」
昂揮さんが、おかみさんに聞きます。
最初のコメントを投稿しよう!