バレちゃいました・・・・。

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私は、顔を真っ赤にしてうつむきます。 「はははっ!少し、早かったかね。まあ、今日はおばちゃんのおごりだ!お兄ちゃんももゆっくりしな」 おかみさん、またも豪快な笑い声をだし、私たちを和ませます。 おかみさん。 ありがとうございます。 「結愛」 「はい?」 私がおかみさんの方を見ていると、昂揮さんが声をかけてきました。 「まあ、今日は帰ってゆっくりしなよ。それと・・・・」 鼻をポリポリと人指し指で掻きながら、明後日の方を向く昂揮さん。 少し、顔が赤く見えます。 何故でしょう? 「結愛、その、その洋服、似合ってるよ」 えっ!? 今なんて!? 「あ、あの。聞こえなかったんですが、もう一度・・・」 昂揮さんに再び質問します。 「似合ってる。結愛のその服。可愛いし、綺麗だよ」 ・・・。 ・・・。 ・・・。 はうっ!? 可愛い!? 綺麗!? あわはわ、あわはわ、あわはわ。 「私が?可愛い?綺麗?本当ですかっ!」 真っ赤になり、恥ずかしがりながら、昂揮さんに聞いてみました。 「うん。とっても似合ってる」 ・・・。 ・・・。 ・・・。 「昂揮さん、その、あの、ああああ、ありがとうございますぅぅぅッ!」 私は心の限りのお礼を言いました。ホントに、ホントに、本当~に嬉しいですッ! 私、このワンピースを着て来て、本当に良かったです! 昂揮さんも、喜んでくれてますッ! 周りの人達も、何故か、あたたかく見守ってくれてるようで、微笑んで見てくれてます。 私は、両手で身体を自分で抱いて、感謝をします。 この一言。 私はほんと~に嬉しいですッ! 「ありがとうございます、ありがとうございますぅ!」 「あはは、大袈裟だなぁ。ま、喜んでくれて、うれしいな」 昂揮さんも微笑んで喜んでくれてます。 このワンピース、着て来てよかったです。 そのあと。 昂揮さんといろんなお話をしました。 そして、待ち合わせの前に香織さんと会った事を話すと、昂揮さん、突然おどろいた顔つきになりました。 「香織と会ったって?」 「はい。駅前のロータリーのベンチで。お母様のプレゼントを買いにいくって言ってましたよ」 言い終わった後、お蕎麦を食べます。 昂揮さん、何か考え事をしてるみたいです。 「なあ?」 「はい」 「香織、その服を見て、変わった様子がなかった?」
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